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光沢感・ドレープ感

オーダースーツと聞くと、男性用のスーツが思い浮かびますが、女性用ももちろんあります。
既製品では、体に合わなかったり、こだわりの素材でスーツを仕立てたいときなどに、利用する方もいらっしゃいます。

せっかくのスーツですから、肩幅、腰回り、丈など自分に合ったものを着用すると気分も引き締まりますし、何より見た目が美しい。
見た目が美しいと言えば、まず目につくのが、オーダースーツの布地です。
布地については、前項で触れてきましたが、今回は光沢感・ドレープ感です。

光沢感

光沢感とは、輝きを放つように見える様子。
布でいえば、サテン生地などを想像して頂ければ、わかりやすいと思います。
このような、光を放つ光沢感のある生地は、ビジネスシーンよりは華やかな結婚式や二次会、司会などの場面で重宝します。
難しい生地を上品に扱うのはテーラーの腕の見せ所ですね。

テンセルや絹等の高級素材が使われていることが多いですので、取り扱い・保管には十分獣医が必要です。

ドレープ

ドレープとは、ファッション用語で、袖具リや胸元、裾などの布地に余裕を持たせ、動けば揺れるようなデザインを施すことです。
もしくは、その布地のデザインそのもの。

ドレープのついたスーツやドレスは、とても優雅で上品、エレガントな印象を与えることができます。
ドレープのひだなどがついている箇所によっては、体を華奢に見せたりする効果もあります。
TPOで使い分けて、おしゃれなレストランに行くときなどに着用したいですね。

ブリティッシュスーツ

イギリス・英国紳士のスーツです。
ブリティッシュスーツには歴史があり、ブリティッシュスーツのドレープは、女性の胸元に施されたひだが少なからず影響していると言われています。
スーツのジャケットは胸元から裾にかけてゆったりとしたドレープが施され、体系カバーにも役立ちます。

質感・触感について

オーダースーツの購入を決めた時に選ぶもの、生地、ブランド、仕立て屋さん、いろいろあります。
皆様は、好きな生地やブランドってありますか?
オーダースーツに限らず、服を選ぶ際の重要なポイントに、布の質感や触感があります。
素材である糸や、おり方による完成品の違いなど、見比べるポイントをおさえていきましょう。

生地の質感・触感を左右する素材について

生地の良しあしや、肌に触れた感じ、目でみたときの光沢感や、素材感、温かい感じなどを比べる際の豆知識です。

繊維

スーツの減量中の原料、「繊維」です。
繊維で糸を紡ぎ、その糸を織り合わせていくと布になります。
繊維となるものには動物の毛などが主流ですが、動物の毛からより合わせてつくられた糸が「単糸」となり、単糸をさらにより合わせたものを「双糸」といいます。丈夫で重いのが、二本より合わせた「双糸」。
通気性がよく軽いのが「単糸」です。

織物に使われている「糸」がありますね。
この糸が織り込まれている感覚・密度によって、生地の強さなどが変わります。
糸の密度が高ければ、強い生地となり、酸素の透過度が低く、重厚感のある生地に仕上がります。
ということは、冬向きな生地ですね。逆に、糸の密度の低い生地は、生地自体の強度は下がるものの、風通しがよく、かるくふわっと仕上がります。
暑い夏におすすめの生地ですね。

生地の質感・触感について

生地の質感や触感は、素材・織り方・量などにより、変化していきます。

生地を触って、なめらかな生地である場合は、素材である「糸」自体が細く繊細に作られており、その糸を使用することで、きめの細かい、しなやかで触りごこちのいい記事が完成します。
ただ、細い糸を使用しているので、生地自体はとてもデリケートです。
少しでも乱暴・雑に扱ってしまうと、縫い目がほつれたり、よれたりしてしまいます。
そしてその糸の細さの指標となるのが、「10番手」「20番手」の番手です。
数字が大きい方が細い糸を使っているということを表します。

織り方

[平織]

最もポピュラーな織り方で、縦糸と横糸を交互に編みこんでいきます。夏に切るブラウスなどをじっくり見てみると、この様な織り方をしている場合が多いです。洗濯に耐えうる丈夫な布の織り方です。

[綾織]

縦糸と横糸を変則的に編みこんでいきます。縦2横1・・・という風に織りこむと、縦2の部分が強調され、浮き出たような模様ができます。おしゃれで、肌さわりの良い生地ができる織り方です。[朱子織] 綾織よりもっと密度の濃い生地を作るために、交互に編みこむ際の本数を多くします。たとえば、縦4横1となるように編みこんでいくと、折り目の密度が高く、重くなりますが、触感のいい生地が完成します。

ブランドの落とし穴について

タグについて

オーダースーツの生地を決める際に、目安とするものは何でしょう。
生地そのもの、ブランドの知名度、素材、触った感じ、光沢感など、人によって基準は変わりますね。もし、ブランド重視で考える際に注意してほしいことがあります。
それは、ブランドにもいくつか種類があり、デザインから製造まで行っている会社であったり、ライセンスを他者に渡して、その別の企業が製造しているブランド、地域特性を活かしたブランドなどさまざまです。
生地やスーツについているタグから、ブランドや素材を見ることができますが、素材の善し悪しまで見ることは難しいですね。
目利きに自信がなければ、テーラーに遠慮なく聞いて相談してみましょう。

メーカーの種類

メーカーの種類には、生地の生産をメインに行っている会社です。(ミル系メーカー)
品質の高いものが多いですが、企業の特徴や個性がよく表れています。
そして、生産はしないが販売はする商社系の会社です。(マーチャント系メーカー)
世界各地から生地を集め販売しています。
種類は豊富ですが、やや値段が張る場合があります。
最後にライセンスを他社に与えて、生産もその会社にお任せする会社です。

SUPER表示

SUPER表示とは、スーツなどの服の素材となる生地を織る際の「糸の原料」の細さを表すものです。
つまり数字が大きいほど、糸が細いということになります。

たとえば、super100とsuper120.
これは、super120の方が、糸が細く、原料の羊毛1キロで120kmの糸がつくれるほどの細さであるということになります。
細い糸でしっかり編みこまれた生地は、生地の密度が濃く適度な重さのある生地になります。
ただ、細ければ細いほどいいかという部分には疑問があり、それぞれスーツに適したsuper表示というものがあります。
意図が細いとその分強度が下がりますので、お勧めのsuper表示は130~150の範囲がいいでしょう。
もちろん、素材などによっては変わってきますので、購入前にはご確認ください。

いい生地の見分け方

生地メーカー

[ミル系メーカー] ミル系メーカーとは、エルメネジルド・ゼニア、ハリスツイード、ロロ・ピアーナに代表されるメーカーです。
自社で布を織り生産しています。
質のいい布を提供してくれます。
それぞれの企業ごとに特徴があります。

[マーチャント系メーカー] マーチャント系メーカーは、生地を取り扱う商社のことです。
世界の各地からいろいろな生地を仕入れて販売しています。

[ライセンスだけ] 現在は布地を織らず、ブランドを他者に与えて利益を得ているメーカーです。
布を織らなくなっても、品質は保たれていることが多いです。

生地の触感

生地を触った時に、生地の良し悪しがダイレクトに伝わってきますね。
同じ素材でも、織り込み方一つで、風合い・触感が変わります。

生地の見た目

布地は縦横の意図が重なり合って布になっています。
この織り方が緩いと、生地は軽くなりますが、良い生地であるかどうかとは別問題の弱い生地になってしまいます。

季節と生地

四季のある日本では、冬のスーツ、夏のスーツと使い分けている方が多いと思います。
冬に人気なのは、軽いけれど温かく、体にフィットするような生地。
しかし、夏は暑くて着ていられません。
夏は夏でさらっとした麻などがお勧めです。

仕立ての見分け方

いい仕立ての基本はコスト

仕立てを見分けるに当たっては、スーツの値段がいくらかということが重要です。たとえば物には原価があって売値がある訳なので、売値が安ければ安いだけの理由があります。

たとえば9800円のスーツとオーダースーツを比べどちらが仕立てのレベルが上かということは、値段を見るだけで判りますよね。一番大切なことは、スーツが値段見合いの価値が仕立てのレベルで確かめられるかということになります。

いい仕立てはエリ

いいスーツというのは型崩れがしにくいです。身体によく馴染むというか、着るごとに身体にフィットしていく。そんなスーツがおすすめです。スーツが身体に馴染むための重要な要素には芯地というものがあります。

これは表地だけではクタクタになってしまうスーツを支えるための素材ですが、この芯地は表地と裏地に挟まれた一般の人からは見えない部分で、一番手を抜かれやすい個所になります。

ゆがみについて

ゆがみはとても難しい問題で、言葉では説明しにくいですし、画像でもハッキリとは表現できないですが、ゆがみというのは着用しているうちにどんどん身体から合わなくなっていきます。

その他ゆがみの原因としては、下記のことがあげられます。

  • 本来のスーツに求められる以上の負荷をスーツに与える場合は、ズボンのポケットや内ポケットなど物を常時入れすぎるゆがみ
  • 素材と仕立てのミスマッチから来るゆがみについては、高級素材になればなるほどデリケートになりますので、ゆがみやシワはでやすい。
  • 仕立ての悪さが原因のゆがみについては、当初の仕立ての誤差が多いところから来るゆがみもあります。

スーツのフロント部分

スーツの中でもこの部分は、表生地、芯地、裏地と3種類の違う素材を使って、一枚の立体的なキャンバスを創り出す一番重要な個所になります。また、フロントの肩から裾までの全面に芯地を入れて作る方法については下記の方法があります。

  1. トラディショナル縫製は、肩から胸と衿の部分に芯地を入れて、表生地に接着芯を貼る方法。
  2. セミトラディショナル縫製は、胸の部分にだけ芯地を入れて表生地に接着芯を貼る方法。
  3. 接着縫製などといった方法があります。

また、裏地が全体についている総裏地仕立てでは気になりませんが、背抜き仕立ての場合の縫い代の処理を、裏地などのバイヤステープでくるんだパイピング処理と、縫い止めた伏せ縫い処理などがあります。

良い服地選びとは

オーダースーツを購入するとき、セミオーダースーツを購入するとき、せっかく選べるので、いい服地を選ぶ目を養いたいものですね。
パターンスーツや吊るしのスーツではなかなか味わえない、服地選び。
ポイントを紹介していきます。

生産地によるちがい

スーツの服地はメーカによっても違いますし、お国柄によっても風合いなどが変わってきます。
見比べる機会があれば、同じ様な生地や同じ色で風合いの違う生地などを見比べてみるといいでしょう。

イギリス

イギリスの服地メーカーには、エドウィン、マーティンソン、ハリソンズ オブ エジンバラなどがありますね。
個人的にはハリソンズ オブ エジンバラがすきなので、ピックアップして紹介します。
ハリソンズ オブ エジンバラは1863年に設立し、服時の下ろしから始まり、ヨーロッパの貴族や上流の人たちに愛されてきた服地メーカーです。
その背景を受けて、ハリソンズ オブ エジンバラは私の中で憧れのブランドに。
貴族に愛されてきたのが分かる質の良い触感と素材の良さは、服地を大切に扱う職人の心を感じます。

イタリア

既製スーツでも使用されるようになってきたイタリアの服地です。
ロロ・ピアーナ、カルロ・バルベラなどが代表的な服地メーカーです。
なかでもロロ・ピアーナは、1936年に設立された服地メーカーですね。
ロロ・ピアーナでは、最高級のウールを使用し、そのこだわりは、糸一本にいたるまで自社で行っています。
その姿勢が素晴らしいですね。
自社一貫生産をSPAというのですが、ロロ・ピアーナでは、大量生産せず、本当にいいものだけを販売し、利益をあげている珍しいメーカーです。

日本

日本も負けていられません。
日本が誇る服地メーカーは、葛利毛織 Dominxさんです。
そのなのごとく、羊毛を織りあげるメーカーさんで、ションヘル織機をいまも現役で利用されているめずらしい関西のメーカーです。
ションヘル織機は、ゆっくり糸を織り込むタイプで、「生産性向上」「人件費削減」とは、程遠い、昔をほうふつさせるバッタンバッタンの織り機を想像してもらえればいいと思います。
なんと、ションヘル織機でおる生地は、完成まで数日(3日ほど)かかるそうです。
ゆっくり織り上げられる、高速機械には出せない風合いが出ています。
まさに高級、職人の技ですね。
機会があれば、現地に見学に行ってみたいものです。

汚れた時の応急処置

食事中、ちょっとした不注意でオーダースーツを汚してしまうといったことなどがあります。放っておくとしみになってしまいますし、うまく処置しないと余計に汚れが広がってしまうということになります。そんな時は、とにかく汚してからすぐに処置することです。

オーダースーツの汚れは時間が経てば、 経つ程取れにくくなります。基本はハンカチなど乾いた布で叩くようにして取れるものだけ取り除き、その後は水溶性の汚れなら水で、油類なら洗剤や溶剤を使って摘むようにして取り除いて下さい。

ただし、汚れによって処置の仕方が異なりますので気をつけましょう。主なシミの処置方法は次の通りです。また処置をして一見しみが抜けたように見えても、しばらくして見るとうっすらと汚れが残っているということも少なくありません。

応急処置として自分で汚れを取ったら、できるだけ早くクリーニングに出すようにしましょう。

さまざまな汚れの落とし方法

  • 墨汁やススのシミについては、汚してしまった箇所にご飯粒をつけて、もみながら水洗いする。
  • クレヨンの汚れについては、キハツ油をつけてふき取ります。また、アルコールも効果があります。
  • ボールペンの汚れについては、シンナーで叩き洗いましょう。
  • お茶、コーヒーの汚れについては、こぼしてすぐなら濡れタオルで叩きます。そのあとは漂白剤で脱色します。
  • 酒のシミや汚れについては、ぬれタオルで叩き拭きします。
  • インクのシミについては、牛乳が一番です。そして固く絞ったタオルで押さえ拭きます。
  • 印肉の汚れについては、キハツ油か石油で洗うとよいとされています。そのあとは洗剤で洗浄します。
  • 口紅の汚れについては、最初にアルコールで拭き取り、グリセリンでもみます。そのあとはぬるま湯に溶かした洗剤液で叩きます。
  • ペンキ、その他の塗料の汚れについては、 シンナーで拭くか、キハツ油を混ぜて汚れの部分に塗ります。
  • マジックインキの汚れについては、シンナーか四塩化炭素で叩き拭きとります。または湯に住居用洗剤を入れて洗ってもよい。
  • 血液の汚れについては、大根おろしをつけてもんでいきます。そしてそのあとにごはん粒でもむ。最後に漂白剤につけます。
  • カレーの汚れについては、台所用漂白剤で漂白してからシュウ酸をつけて洗浄します。そのあと、食用油、バター 即ベンジンをしみこませてティッシュペーパーではさみ、上からアイロンをかけます。
  • ガムがついたら場合、そのまま水で冷やして堅くしてから取りのぞきます。
  • その他見分けのつかない汚れについては、まずブラシをかけて食パンで押さえ、キハツ油を綿に染み込ませて押さえます。

スーツのブラッシングについて

スーツのお手入れ方法として、こまめに行いたいブラッシング。
着用前と着用後には必ず行いたいですね。

スーツを痛めず、長持ちさせるブラッシングのコツを紹介します。

どうしてブラッシングするの?

スーツに限らず、洋服を一日着用すると空気中のチリやほこりが付着するものです。
洋服の場合は、毎日洗濯することもできますが、スーツはそういうわけにはいきませんよね。

そこで正しいブラッシング方法を覚えて、少しでも大事なスーツを長持ちさせる為にお手入れしていきましょう。

ブラッシングの方法

縫い目や織り目に沿って優しくゆっくりブラシを掛けます。
衿、衿の内側、肩、背中、袖口と、上から下へ丁寧にブラッシングしていきます。

ブラシの種類

わらをつかったブラシ

まずこれで大きなほこりなどを払いましょう。

動物の毛

豚や馬の毛を使ったブラシです。
スーツのブラッシングに適しています。

また、たぬき等の毛を使った小さいコームは、細かい所のほこり取りに最適です。
仕上げや装飾部分に使うといいです。

ブラシの特性

毛が固い

植えてある毛の長さが短いと、スーツにかかる力が強くなります。
毛の固いブラシは、汚れを除去するのにむいています。

毛が柔らかい

毛足の長いブラシは、スーツについたほこりを取るのに向いています。
起毛している生地であれば、毛足の長いタイプを選びましょう。

スーツのパンツ丈

さて、スーツのパンツ丈についてです。
足元って意外と目につきますし、見られていることも多いですよね。
一番近くに感じるのがエスカレーターだと思うのですが、その他にも電車の中、席に座っている時、座敷に上がったとき・・・

人のふりみてわがふり直せではないですが、「あらら・・・」と思われないように、適正なパンツ丈についてみていきましょう。
パンツ丈も人によって好みがあると思いますが、流行、素材や折り目、季節、背丈、全体のバランスなどを総合的に見て客観的に決めることも重要です。
ちなみに数年前までは、ちょっと長めの靴が半分隠れるまでの長さが人気でしたね。
しかし、最近では短め丈が人気のようで、くるぶしあたりの丈が流行のようです。

お店などで、スーツの裾上げ、もしくはオーダースーツなどで計測してもらう場合は、両足必ず見てもらいましょうね。
人によっては、左右の足の長さに若干の差が生じている場合もあります。

正しいパンツ丈の決め方

手順1.まずウェストのサイズが合うものを選ぶ

うつくしいパンツ丈を決める為にも、ウェスト部分のだぶつき、窮屈感はさけたいものです。 ジャストサイズの腰回りは見ていても気持ちがいいですし、相手にも好印象となるでしょう。

手順2:パンツの種類を考慮する

今流行の細見タイプであれば、短め丈。 タックいりのゆったりしたシルエットのパンツは、長め丈にしてもらいましょう。

パンツ丈の種類

ノークッション

ノークッションとは、細身パンツにお勧めの、裾が靴にかからない丈。
おしゃれですね。

ハーフクッション

ノークッションよりは長い丈ですが、長すぎず、靴の甲に若干かかる程度の裾。
こちらも細身パンツにおすすめ。

ワンクッション

主流な裾丈ですね。腰かけても靴下が丸見えになりにくい定番スタイル。

スーツの素材

一口にスーツといっても、「型」「色」「素材」「縫製」など、大きな部分から細かい所までディテールを変えるだけで、雰囲気はがらりと変わることがありますね。
自分の好み、流行、スタイルを取り入れつつ、自分だけのスーツを作るのもいいでしょう。

ここでは、スーツの大部分を占める「素材」についてみていきます。

代表的なスーツの素材

ウール(羊毛)

良く使われる素材のひとつで、羊の毛です。。
ウールを使ったものの中でも、羊毛100%のものと羊毛とポリエステルなどを混ぜたものなどがあります。
ウールは冬のもの、というイメージもありますが、織り方次第では全てのシーズンに対応できる優秀素材なのです。

カシミア

カシミアは高級素材としても知られています。
軽くて、温かく、しかもその織り上げられた布には光沢があります。
春のスーツにもおすすめです。

綿

日本で古くから愛される綿素材。
天然素材の綿は肌にもソフトで、スーツの他シャツなどにも幅広く利用されています。
綿でできたスーツ・ジャケットは、ビジネス~カジュアルまで対応できる優れもの。

麻(リネン)

こちらも天然素材で、良く使われる素材ですね。
麻(あさ)です。
麻は丈夫で軽くて通気性が良く、夏向けのスーツに用いられることが多いようです。
ただ、麻100%ですと、しわになりやすいという特徴もあるので、麻混の素材が、扱いやすいでしょう。

素材の選び方

素材選びの基本

まず1着目のスーツなど、基本のスーツを抑えたい場合、選ぶ素材は「ウール」にしましょう。
先でも述べましたが、ウールはオールシーズン対応の優秀スーツ。
できれば、春夏むけ、秋冬むけと2着そろえるのが望ましいですが、取り急ぎの1着が必要になったらウールと覚えておきましょう。
保管方法も要注意。
大事に保管すれば、長く愛用できます。

用途:ビジネス・オフィス・座り仕事用

とにかく機能優先!座り仕事でもしわになりにくく、扱いやすいスーツが欲しい。
というかたは、スーツの素材に合繊であるポリエステルが入ったものを選びましょう。
丈夫で、しわがつきにくいので、平日は毎日スーツを着用する人にはおすすめです。
注意したいのが、ウールや天然素材のスーツより、やや見栄えが劣るところ。
ここぞという時はウール、内勤時はポリエステル混と、使い分けてみてはいかが。

季節ごとの素材

春~夏

日差しがだんだんと強くなってくるこの時期にお勧めなのは、男女ともに「綿」や「麻」など天然素材を用いたスーツ。
素材が軽いことは勿論、風通し、吸水性・撥水性に優れ、昼夜の寒暖差にも対応できます。
色もベージュ・カーキなど明るめにするとさらに涼しげ。
天然素材の他、機能性をさらに追求した新素材も出てきていますので、要チェックです。

秋~冬

夕方からぐっと冷え込む秋、風が冷たい冬。こんな厳しい季節にお勧めなのは、しっかり編んだウールやカシミア。
なかでもお勧めなのはカシミアです。
軽くて暖かなのは、皆様周知のとおりですよね。重ね着も増える冬。軽いスーツは意外と重要。
他にも動物の毛を使ったスーツが出てきているので、店頭で着比べてみてください。

ジャケットの知識

ジャケットは、広義で「上着」のことです。

ジャケットの部位

上衿(カラー)

衿の部分を縫い目で二つに分けた時に、上の短い部分のことです。

下衿(ラペル)

衿の部分を縫い目で二つに分けた時に、下の長い部分のことです。
ちなみに上の部分は上衿です。

ベント

ベントは、ジャケットの背中側にあたる部分で、切れ目のことです。
もともとは、馬に乗る際の着用感向上の為にベントが用いられたと言われています。
ベントは一本とは限りません。

切羽

切羽とは、ジャケットの袖ぐリの部分です。
切羽詰まるといいますが、この切羽は日本刀の鍔にあたります。

腰ポケット

ジャケットの腰、もしくは脇腹に近い位置にあるポケットのことです。

裏仕立て

ジャケットの裏地となる素材や、裏地でおおう部分のことをいいます。

ラペルの種類

菱衿

菱衿(ノッチドラペル)は、基本的なスーツに見られる当たり触りのない衿の形です。

剣衿

剣衿(ピークドラペル)は、下襟を尖らせ、上方向に伸ばしたスタイルの衿。

ベントの種類

センターベント

スーツに多く見られる、真中に一本切れ目が入ったジャケットです。

サイドベンツ

両側に切れ目が入った、二本切れ目があるジャケットです。

ノーベン

切れ目がないジャケットです。

切羽の種類

本切羽

ボタンを留められるようにボタンホールが空いています。

スーツ・ジャケットの袖口にあるボタンが、「飾り」ではなくて「本当に開けられる仕様」であり、ドレスシャツのように袖を全部開ければまくり上げる事もできる。

開きみせ

ボタンホールがなく、ボタンを留めているかのように見せるスタイル。

腰ポケットの種類

蓋なし

ポケットの切り口を玉ブチで飾ったもの。

フラップポケット

ポケットの上部にふたがついたもの。

チェンジポケット

通常のポケットの中に小さいポケットが配置されているスタイル。
小銭や切符などをいれるのに重宝します。

裏仕立ての種類

総裏仕立て

ジャケットの裏側が、裏地で全て覆われるものです。

背抜き仕立て

背中側の裏地が上から半分以下ほどついている状態のジャケットです。
背抜き仕立てのメリットは、生地が少ない分、軽量で風とおしが良いことです。

半裏仕立て

背抜き仕立てを用い、さらに前身裏地をカットしたもの。

スーツの「2つボタン」と「3つボタン」について

スーツを初めてオーダーする方は、2つボタンと3つボタンで、どちらにするか迷うのではないでしょうか。

本来、ボタンはいくつあってもいいのです!

ただ、どちらかといえば数が多いほう、つまり、3つボタンスーツのほうが古い形といえます。

また、2つボタンでも3つボタンでも、「1番下のボタンは必ずかけずに開ける」というルールがありますが、これは古くはルイ14世時代以来、上着のボタンは全部掛けないのが“粋”で、「しっかりと全部かけるのは、軍人の着こなし」というのが暗黙のルールとなってきたことの名残でもあります。

ARMADIOでは、上記の他にも、ボタンについていろいろとアドバイスさせていただいております。迷っているかたもご遠慮なくご来店ください。

スーツのお手入れ方法

まずは着用された日、ご帰宅後には必ずブラシッングをしてあげて下さい。
これは、見えない埃や汚れなどをしっかりとスーツの細かい繊維の間に詰まっているものをかき出してあげるためです。

そしてその後は、スーツの肩やデザイン、スタイルなどが崩れにくい厚手の木製ハンガーにやさしく掛けて、休めてあげるようにしてください。

実は毎日のお手入れはこれだけなんですよ。よほどの汚れなどがない限りは…簡単ですよね?

もちろん連日の着用は厳禁です。
1日着用されたら3日程度休めてあげていただき、だいたい3~4着のローテーションで着まわしていただければ、スーツを長くご愛用頂くことが可能になります。

基本的にクリーニングはスーツの生地を傷めてしまうことがほとんどなので、多くてシーズンに1~2回にしておきましょう。
これが長くご着用いただく秘訣です。

シャツの基礎知識

シャツと言えばワイシャツ。
聞きなれたワイシャツですが、ホワイトシャツからワイシャツになったという話と、襟ぐりが「Y」にも見えることからワイシャツになったなど、諸説あります。

シャツの基礎知識として、まずは「サイズ」について説明します。

首回り

採寸方法

男性であれば、のど仏の少し下あたり、首の付け根に近い所を測ります。
既製品を購入するのであれば、下記を参考に選んでみてください。

上手な選び方

実際に測ったサイズよりプラス2cmほど上のシャツを選びましょう。
試着してみて、ボタンをとめた状態で、指二本くらい入ればほぼ大丈夫でしょう。
首元が詰まったり、緩すぎてしてしまうと、着用してて苦しかったり、見た目がだらしなくなったりしてしまうので、注意が必要です。

既製品の参考サイズ

Mサイズ 39cm
Lサイズ 41cm
LLサイズ 43cm
大概シャツのパッケージにサイズが書いてありますので、もし記入がない場合に数字を覚えておくと
いいでしょう。

裄丈

採寸方法

裄丈は、首の付け根(うしろ)の中心から型を経由し、手首のくるぶしまでを測ります。
実寸から+-3cm位がベストです。
試着したら、腕を上げ下げして短すぎないか、窮屈なところはないか確認してみてください。

上手な選び方

シャツの素材によっては、試着時に丁度よくても、洗濯やクリーニング後にきつくなる場合があります。合繊・化繊の場合はあまり大きく縮むことは少ないですが、綿などの場合注意が必要です。

身幅

身幅は、胸回り・銅周りのことです。

上手な選び方

首回りを基準に選んだ場合、身幅はとくに注意を払わなくても大丈夫です。
ただ、好みもありますので、オーダー等の場合は調整してもらいましょう。
あまりだぶついていると、パンツに入れた時に腰回りがもたついたりして、見た目が美しくありませんので気をつけましょう。

カフの基礎知識

カフとは、そで口のことで、シャツの袖口のことをいいます。
尚、その形状から下記のように分類できます。

シングルカフ

折り返しがない一重の型。とてもシンプル。
シングルカフのうち、ボタンが2つついて、そで口のサイズを調整できるものを、アジャスタブルカフといいます。

ダブルカフ

袖口を折り返し、ボタンホールが両サイドについている型。
ドレッシーである。

ターンナップカフ

ターンナップカフは、シングルカフに飾り用の折り返しがついたものをいいます。

腕もとは、さりげない所ですが、目につきやすい場所でもあります。
まずはカフリンクスから入ってみてもいいかもしれませんね。
オシャレ度がアップします。

店舗情報・アクセス

〒274-0825
千葉県船橋市前原西2-13-2-4F

営業時間 11:00〜21:00(不定休)

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