日本でも「高級スーツ=本切羽(ほんせっぱ)」というのが一つの常識である。
本切羽とは、スーツ・ジャケットの袖口にあるボタンが、「飾り」ではなくて「本当に開けられる仕様」であり、ドレスシャツのように袖を全部開ければまくり上げる事もできる。
しかし、なぜ「本切羽」というのだろうか。
日本の仕立屋さんでは「本切羽」とか「本開き」という。
本開きはそのままだが、本切羽というのは耳慣れない用語である。日本刀でいう切羽は「刀身の一番ハシ」と「柄の一番ハシ」を押さえつける金具なので、“最もハシ”の“どん詰まり”という意味合いが出てくる。
いずれにしても「切羽」には「一番ハシ」という意味があるので、それが転じて洋服の袖口の意味になったと推測されます。
実際に開ける仕様を「本式の切羽」の意味で「本切羽」と称したのも納得できます。